続・新卒一年目で鬱になった話。
この記事は前回の続きです。
文系院卒、会社アレルギーを自覚
前回の通り、周りの目や自分自身の羞恥心のために社会人デビューを決意した私。
入社式で早速居心地の悪さを感じます。
「なんかみんなギラついてんなぁ…」
私の周りにいるのは、ちゃんとした動機を持って入社した、やりたいことがあって入社した同期たちばかりでした(もちろん、私以外の全員ではなかったでしょうが)。
きっちり決めたお化粧にスーツ、髪型もバッチリで…。
入社前研修で仲良くなったのか、すでに和気藹々とした雰囲気を放つみなさん。
いささか、いやかなり、根暗インキャの年増には辛い。
数日前までは完全個人プレーで好き勝手やっていたものですから、同期の結束!とか言われてもよくわかりません。
何より、「社会の一員として、会社の顔となる云々」と言う文言。
今まで散々甘えていた「社会的地位」が、こんなにじっとりと身体にまとわりつくとは思いませんでした。そして、それを心から嫌がっている自分がいることも。
「組織に組み込まれる」ことがただ恐怖でした。
「(無理無理無理無理カタツムリ…)」
入社式からしばらくは研修の毎日。笑顔、お辞儀、挨拶など、ビジネスマナーを教え込まれたり、研修合宿で会社運営や営業のロールプレイングをしたり…。
地方の出身なんですが、入社式からずっと東京に缶詰でした。
「人財」とか「気づき」とか「学び」とか、役員の講話を聴いてどうだったとか…。
本当に嫌だった。なんであんなに嫌だったのかよくわからないんですが…。
ちなみに、この頃(入社一ヶ月くらい)の時点ですでに、夜中に何度も目が覚めたり、身の回りや趣味のことが手につかなくなることが増えていました。
新卒院生、配属先が決まる。
私の会社は子会社で、同期は割と田舎出身の子が多かったです。
そのせいか、面談の際に、みんながみんな「東京は嫌です!」と言っていたらしいんですね。
私の時は「東京どう?」って聞かれたから、「まぁ、良いところですよね」って答えたわけです。全く知らない土地で働くよりも、ある程度住んで慣れている土地の方が良い、とも言いました。
頭の中では、まず地方に飛ばされる → そこで経験積む →都市部に配属
→地元に帰る って言う流れを想像していたのです。
やってきた勤務先発表の日。心なしか同期たちも浮き足立ってる。地元の話が多かったかな?一種のお祭りみたいな。
そして始まる社員名の読み上げと勤務地発表。一人、またひとりと名前が呼ばれていきます。
いよいよ私の番!さてどんな辺境の地に飛ばされるのかしら〜。
「XXXX会社所属、乃窓 羊! 〇〇〇〇東京支社!!」
東京支店
とうきょうしてん
トーキョーシテー
(嘘でしょ…?)
こうして私の東京滞在は延長戦に入ったわけであります。
ここから先の日々はみなさんご存知の「ザ・東京」の生活でした。
某「プロブロガー」?「アフィリエイター」?の何某さんがたった一年で消耗してしまう世界が口を開けて待っていました。
会社と家の往復の日々
東京の生活自体には、研修期間にあらかた慣れていたんですが、やっぱり研修と配属されてからは微妙に感覚が違うわけです。
自分で言うのもなんですが、割と真面目で自分の意見を言得たりするので、それなりに期待されておったように思います。
職種はいわゆる「営業職」「サービス業」に分類されるものです。お客様の生活を豊かにするために、いろいろなサービスを提案したり、何か問題があった時にはお客様の代わりに業者とやりとりしたり…。
この職種全般に言えることかもしれませんが、「お客様ありき」なのでどうしても受動的な動きがメインになります。呼ばれていく、とか問題が起きてから対応する、とかね。
するとどうなるかと言うと、生活がお客様に振り回されます。
私は結局、本格的に業務が始まる前に辞めちゃったんですが、上司の方々には真夜中に呼び出されたり、休日にわざわざ出向かなきゃいけなかったり…。
全然休めなかったです。
帰りも遅くなる、もともと疲れやすい、休みが少ない。
私の生活範囲はどんどん狭く、乏しくなっていきました。
厄介だったのは、職場の人たちはとても親切で優しかったことです。ちゃんと指導してくれて、サポートもめんどくさがらずにしてくれて…。環境は恵まれていたと思います。
おかげで、はっきりとした原因がわからないまま、徐々に蝕まれていきました。
まず、眠れなくなりました。
全くと言うわけではないけれど、寝つきが悪くなり、夜中に目覚めることが多くなり、自分で睡眠がコントロールできなくなりました。
これが結構重要な指標になると思います。
次に食欲が無くなります。
私の場合は、食べられなくなる、と言うよりも食に関する興味が無くなりました。
毎日同じものを食べても何も思わないし、お腹空いていてもなんとなくで食べなかったり。
逆に、常に何か食べてないと落ち着かないこともありましたね。
要するに食生活がとっても乱れました。
わかりやすい異変としてはこの二つが大きいんですが、もう一つ、見えないけど非常に大事なのは「自己決定ができるかどうか」です。
これは性格によってわかりにくいこともありますが…。私もその類です。
とにかく物事についての判断・決定ができない。本当に些細な、それこそご飯をどうするか、休みの日に外出するか、この本を買うかどうかなども全く考えられない。自己決定に関する思考回路がなくなったみたいに。
そんな生活が数ヶ月続いていました。家族や友人に調子を尋ねられても、「ぼちぼち」としか答えませんでした。自分がどんな状況なのかもわからない。
気がつくと、鬱だった
ある日、朝目がさめると、会社への行き方がわからなくなっていました。
よくわかりませんよね…。自分でもそう思います。
でも、本当にわからなくて、どうやってベッドから出ていいのか、どうやって着替えたら良いのか(そもそも着替えるとは?)、家から出て、どうやって会社に行ってたんだっけ…?
わからないわからないわからない……。
かろうじておかしいと思えた私は、なんとか会社に連絡を取ります。
「体調が悪く、病院に行くので遅れます」と。
少し冷静になっていたので、スーツに着替えることはできました。
(しっかり治せ、と上司からお休みの命令が出ましたが)
その後、精神科に連絡しその日のうちに診察を受けました。
ここら辺の判断ができたのは、大学時代にも鬱になったことがあったからですかね。
そして無事に鬱と診断された私は、会社に報告し、しばらくのお休みと傷病手当をいただくことになりましたとさ。
ここでも、上司が取り計らってくれて、いろいろ手配してくれました。
やっぱり人間関係には恵まれていたと思います。
と、言うことで鬱になったところまで書けました。
結局何が原因だったのかわからないので、「いろいろなことが重なりまくった」としか言えないんですよね…。
今も東京好きだし…。
もし最後まで読んでくださった方がいらっしゃったら、途中の自身に起こる異変を気に留めてもらえたら、と思います。
当然症状の現れ方は個人差がありますが、おおよその傾向としてあるのではないかな、と考えています。
この後のお話は、また気が向いたら書きます。文章量すごい。
みなさんは、ぜひご自身の声に耳を傾けてあげてくださいね。
それでは、また。
お疲れ様でした。